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都市銀行・地方銀行・信用金庫・政府系金融機関の融資の審査に際しては、バランスシートが重要です。

他にも過去2~3年間の確定申告の状況なども加味されますが、重要なのはやはりバランスシートです。

 

バランスシートというと専門的で分かりにくいかもしれません。

簡単に言えば資産・資産の担保価値と負債を比べたものです。

 

(例)

給与年収1,000万円の個人が、積算評価1億1,000万円の不動産を1億円で購入予定。

頭金は1,000万円、9,000万円を借り入れる予定。 

借り入れる予定の金融機関は担保掛目0.7で評価している。

 

(バランスシート)

資産:(積算1億1,000万円×担保掛目0.7)=7,700万円

負債:借入予定 9,000万円

差額:資産-負債=△1,300万円

 

となり、1,300万円の不足分を給与年収や家賃収入で返済可能かどうかを金融機関が審査することになります。

1,300万円の不足に対して給与年収が1,000万円であれば十分に借入は可能でしょう。

金融機関によって積算評価の計算方法や担保掛目は異なりますが、ある程度の目安をこのようにして計算します。

融資の際にはバランスシートが最重要です。

バランスシートの次に考慮されるのが、「バランスシートのマイナス分を給与年収・家賃収入で返済できるか」という点です。

 

この点を審査する際に、過去2~3年の確定申告書を提出するわけですが、ここで赤字申告続きですと大きなマイナスポイントになります。

「税金を減らす」という目的からはできるだけ大きな赤字が望ましいのですが、「次の融資を受ける」という目的からは黒字が望ましい・・・

目的によって確定申告書の記載内容も変わるのです。

 

また、青色申告特別控除や土地負債利子によっては、赤字でも黒字でも納税額が変わらない状況もあります。

そのような状況の場合には敢えて黒字で申告しておくことが得策です。

 

(例)

家賃収入 1,000万円

諸経費・減価償却等 △800万円

借入金の利子 △400万円(うち土地対応分△200万円)

青色申告特別控除 △65万円

 

① 一般的な確定申告

1,000万円-800万円-400万円=△200万円(青色申告特別控除は赤字の場合、控除できない)

土地負債利子△200万円があるので、この△200万円は他の所得との合算、繰越はできない。

 

② 融資を考えた確定申告

1,000万円-535万円-400万円=65万円(青色申告特別控除があるため、税金は課税されない。)

諸経費・減価償却の800万円を敢えて535万円で申告する。

 

この①、②はともに納める税金は全く同じになります。

しかし、融資の審査の際には200万円の赤字と65万円の黒字では大きな差があります。

 

 

経費の減らし方にもポイントがあります。

様々な手法がありますが、経費とできる金額を無駄にせずに大幅に経費を圧縮するには減価償却の工夫が有効です。

 

即時償却できる資産の取得を通常の減価償却にする。

(例)1台15万円のエアコンを10台取り付けた

① 一般的な確定申告

青色申告者は30万円未満の資産は即時償却できるため、150万円全額を経費にした。

② 融資を考えた確定申告

一括償却資産として1/3の50万円を経費にした。残りの100万円は次年度、次々年度で経費化する

③ もっと融資を考えた確定申告

減価償却資産として1/6の25万円を経費にした。残りの125万円は5年間かけて経費化する。

 

その他、最終手段として経費の領収証を敢えて経費として申告しないという手法もあります。

不動産投資を行う際にはワンルームマンションの現金買い増し戦略の場合を除き、融資を受けて購入することが一般的です。

ある程度の融資枠の見込みを考えて物件探しをしたいところです。

 

融資先としては次のような候補が挙げられます。

① 都市銀行

② 地方銀行、信用金庫

③ 政府系金融機関(金融公庫など)

④ ノンバンク系(スルガ、オリックスなど)

 

このうち、④ノンバンク系は見込みが簡単です。

給与年収の20倍(手取りではなく総額)までは比較的すぐに融資をしてくれます。

しかし、他の金融機関に比べて利率が高く、最も節税効果の高い法人名義で不動産を所有するスキームに対して消極的です。

他の金融機関で融資が取れず、「個人で取得して税負担が高くなっても欲しい物件」の際に最終手段的に使用するべきでしょう。

不動産屋に真っ先にノンバンク系を勧められた場合には要注意です。

 

他の①~③の金融機関は年収とバランスシートで評価します。

こちらは長くなるので別ページで説明します。

 

 

それぞれの長所・短所は以下の通りです。

 

① 都市銀行

長所:全国対応可能 利率が低い

短所:現在、融資に積極的ではない

 

② 地方銀行、信用金庫

長所:融資に積極的な支店もある 利率が低い

短所:住所又は物件の所在地が対応エリアになければならない場合が多い

 

③ 政府系金融機関(金融公庫など)

長所:全国対応可能 融資に積極的な支店もある 利率が低い

短所:積算評価に対する掛目が厳しい(0.5など) 融資金額に制限がある場合がある

 

④ ノンバンク系(スルガ、オリックスなど)

長所:給与年収が高ければ積算評価に関わらず融資が出る

短所:利率が高い 最も節税効果の高い法人名義で不動産を所有するスキームに対して消極的

不動産投資の入り口として重要な融資付け、そのポイントは不動産投資のポイントと同じく人脈です。

収入状況、積算評価、他の借入、頭金、etc・・・

 

ポイントはたくさんありますが、最重要なのはやっぱり人脈なのです。

 

飛び込みで銀行へ融資付けの申し込みへ行く前に、まずは持っている人脈から当たりましょう。

銀行も住宅ローンならまだしも、投資用不動産で飛び込みの申し込みをそれほど歓迎してはくれません。

 

銀行への人脈が強いのは不動産の仲介業者です。

特に地元の地銀、信用金庫に強い仲介業者は強力です。

不動産投資仲間や税理士からの紹介もありますが、仲介業者程ではありません。

 

人脈の次に重要なのは収入状況です。

年収の10倍、20倍までと貸付を制限している金融機関もあるくらいです。

この際に、サラリーマンなら源泉徴収票、専業大家さん・サラリーマン大家さんなら確定申告書を見せるわけですが、既に不動産投資をしている場合、赤字になっていないことに注意して下さい。

税金対策で無理に赤字にしたことが融資付けで足を引っ張る結果になりかねません。

融資付けを狙う場合には確定申告時に少しでも黒字にしておきましょう。

 

後は購入予定不動産の積算評価、頭金、他の借入状況などを総合して判断されます。

 

 

私の経験上、やはり人脈のウエイトが最重要です。

年収2,000万円近い方が1億円の借入ができない中、年収1,000万円弱の方が2億円の借入をできたケースがあります。

また、飛び込みで融資を断られたお客様に金融機関に強い仲介業者を紹介したところ、同じ金融機関で融資が付いたなんてケースも多々あります。

 

また、金融機関内においても融資に積極的な担当者と消極的な担当者がいます。

人脈でどうしても駄目ならば、飛び込みで融資に積極的な担当者を探すことになります。

(注)私の経験上の話であり、確定的な情報ではありません。

 

☆ 都市銀行(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行など)

 基本的に中古物件への融資は厳しい

 土地持ちの地主さん、系列不動産会社や信託銀行の案件は比較的融資が付く

 この中では三井住友銀行が比較的融資が付いている印象

 

 都市銀行は総じて現在、融資姿勢が非常に辛い。

 

☆ 地方銀行(千葉銀行、横浜銀行、静岡銀行など)

 比較的融資が付きやすく利率も低い。

 現在、最もおススメな金融機関。

 飛び込みの場合、地元住人又は地元物件でないと厳しい場合がある。

 地元の不動産会社との繋がりが強い場合があり、その場合には仲介業者との力関係次第でフルローンも可能。

 

 地方銀行は融資が付きやすいとまでは言えないが、低利率の中では融資が付きやすい部類に入る。

 

☆ 信用金庫(西武信用金庫、西京信用金庫など)

 地元住民又は地元物件でなければ融資が付きづらい。

 ノンバンクからの借換えで場合によっては有利な条件で借り換えができる場合がある。

 

☆ ノンバンク(オリックス、スルガ銀行)

 年収が高ければ融資が付きやすいが利率が高い

 税金対策で法人名義、配偶者名での購入にあまり応じない

 2棟目、3棟目となった際にも年収が基準なので頭打ちになる。 

 

 融資が付きやすいメリットはあるがデメリットも大きい。

 「どうしても今押さえておきたい」物件が出た時の最後の手段か。

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