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確定申告のこの時期、多くの質問を受けるのですが、最近多い質問に

「不動産取得税・登記費用は資産計上(経費にしないで減価償却の対象にする)して赤字を出さないようにしたい」

というものがあります。

 

話を聞くと、どこかのメルマガに融資対策で赤字を出さない手法の1つとして紹介されたようです。

 

この内容は半分は正解、半分は間違いです。

 

というのも、不動産取得税・登記費用は投資物件の場合

法人の場合・・・資産計上・経費計上のどちらでも選択可能

個人の場合・・・経費計上のみ

となっています。

 

参考(国税庁タックスアンサー)

法人税

所得税

 

法人税と所得税は取扱いが同じものが多いので、法人税だけを読んで「個人もどうせ同じだろう」と思ったのでしょうね・・・

 

融資対策に赤字を出したくない場合には別の方法で経費の圧縮を図りましょう。

いくら融資対策と言っても税法上間違ったことをしてはいけません。 

個人名義での不動産賃貸節税の基本は青色申告にすることですが、青色申告をするには帳簿を作成しなければなりません。

このハードルのために白色申告を選択する方も多いのが実情です。

私は様々な税制上のメリットを考え、個人名義の方の全てに青色申告にすることを勧めています。

 

青色申告者に義務付けられる帳簿の作成ですが、複式簿記による詳細な帳簿の作成が必要なのは事業規模(5棟又は10室以上賃貸)で青色申告特別控除65万円を受けようとする方だけです。

青色申告特別控除10万円を受けようとする方は簡易な記帳の方法として現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳の作成で足ります。

不動産賃貸業では売掛帳・買掛帳は不要であり、固定資産台帳は確定申告書の減価償却欄があるので、実質は現金出納帳と経費帳を作成すれば足ります。

現金出納帳は文房具店でも売られており、入出金日・金額・残高を記入するものでお小遣い帳レベルです。

経費帳は確定申告時に費目(修繕費や水道光熱費など)毎にまとめたものであり、メモ書き程度で作成できます。

 

ここでは、青色申告特別控除65万円を受けようとする方用の正規の簿記の原則に従った複式簿記の作成について紹介したいと思います。

複式簿記は一般に簿記2級の知識があれば作成できると言われていますが、専用のソフトを使わずに複式簿記の帳簿を作成するのは困難です。

逆に、専用ソフトがあれば簿記知識がなくとも複式簿記による帳簿は作成できます。

 

私のお勧めはやはり弥生会計です。

メリットは初心者向けの使いやすさです。

デメリットは価格と、弥生会計で申告書まで作成しようと思うと毎年バージョンアップが必要になる点です。

(帳簿の作成のみ弥生会計で行い、申告書作成は自身で行えばバージョンアップの必要はありません。)

 

なお、スタンダード版とプロフェッショナル版の違いは資金管理など帳簿の作成と関係ない機能の追加にありますので、不動産賃貸業ではスタンダード版で十分でしょう。

不動産売買の仲介手数料は税抜売買価格の3.15%+63,000円が一般的です。

この金額はどこから来ているのでしょうか?

 

実は宅建業法で、不動産売買の仲介手数料の上限が決められているのです。

その上限が前述の3.15%+63,000円です。

(400万円以下の少額の不動産には別途規定があります。)

 

この金額はあくまでも上限なのですが、不動産売買の仲介手数料の定価として定着しています。

どこの不動産仲介業者へ行ってもほぼこの金額でしょう。

 

投資用不動産ではなく自己居住用専門ですが、城南建設さんの住宅情報館などは仲介手数料1%をウリにしています。

投資用不動産でも一部で仲介手数料の割引をする業者も出てきました。

売主物件である未公開物件は売主からも仲介手数料が取れるため、値切れるかもしれません。

公開物件限定で仲介手数料を割引する業者もあります。

(公開物件なので早い者勝ちで買主を得たいため。)

同じ仲介業者から何度か買う場合なども交渉の余地があるでしょう。

消費税は現在5%ですが、民主党、自民党共に消費税増税を打ち出しております。

7、8%を挟んで10%と見られていましたが、いきなり10%となりそうな情勢です。

 

不動産賃貸業に消費税増税はどの程度影響するのでしょうか。

 

☆ これから購入される方

 これから賃貸不動産を購入、建築される方は建物価格に上乗せされる消費税が増加します。

 1億円で建築予定ならば、1億500万円だったものが1億1,000万円必要になります。

 中古物件を購入する場合には、土地価格には消費税がかかりませんが建物価格には消費税がかかります。

 建物は高く、土地は低く購入することがキャッシュフローの確保には重要なのですが、建物を高くしてしまうと消費税の負担が増えてしまいます。

 そこで、総額を決めてから土地、建物価格を按分するような配慮が必要です。

 一方、売主側では納税する消費税を抑えるため、一層建物価格を低く設定することが予想されます。

 

 ここで負担した消費税を還付する消費税還付も住居用では還付できないケースが増えました。

 単純にオーナーの初期負担が増すことが予想されます。

 

☆ 既に賃貸を行っている方(免税事業者)

 既に賃貸を行っている方で免税事業者(基準期間の課税売上高が1,000万円以下である事業者)は、今後も消費税を納める必要がありません。

 免税事業者であっても消費税を取ることは認められていますので、駐車場・店舗・事務所を賃貸している場合には増収になります。 

 

(例)免税事業者が店舗を賃貸、家賃は年間600万円(税抜)である。

 消費税5%の場合・・・家賃収入630万円 消費税納税0円

 消費税10%の場合・・・家賃収入660万円 消費税納税0円

 

 なお、インボイス制度が導入された場合、免税事業者は消費税を取ることができません。

 上記例の場合には消費税率に関わらず家賃収入は600万円となり、30万円の益税を受けられなくなります。

 

☆ 既に賃貸を行っている方(課税事業者)

 既に賃貸を行っている方で課税事業者(基準期間の課税売上高が1,000万円超である事業者)は、今後も消費税を納めます。

 簡易課税制度を利用していれば益税が増加し、簡易課税制度を利用していなければ損得はありません。

 あくまでも消費税増税分を賃料に反映できればの話ですが・・・

 

☆ 賃貸不動産の売却をした場合

 課税事業者(基準期間の課税売上高が1,000万円超である事業者)が賃貸不動産を売却した場合には、建物価格の消費税を納める必要があります。

 不動産取引は総額を決めてから土地価格、建物価格を按分する傾向があるので建物価格が高いと思わぬ税負担が発生する可能性があります。

 

☆ 地主さんの駆け込み需要に注意

 既に一部の建設業者さんから「消費税増税前の駆け込み需要に期待」との声が聞こえてきます。

 地主さんが強い地域では突然たくさんの賃貸住宅が建築されその地域の需給バランスが壊れる可能性があります。

不動産投資をする際に地主さんと同じ土俵で勝負をしてはいけません。

 

地主さんの不動産投資の目的は多くの場合、相続税対策であり、賃貸収入ではありません。

 

私のお客様の多くは土地、建物を合わせて表面利回り10%前後の中古物件を探しています。

しかし地主さんは土地を持っているにも関わらず、建物価格だけを基準に利回り10%未満でも賃貸不動産を建築します。

多くの地主型ハウスメーカーも10%未満の企画書を持ち込みます。

中古物件を考えている方から考えれば信じられない数字です。

土地価格を除いて10%ですよ?

 

また、地主型ハウスメーカーは地主さんが1棟建築するともう1棟、もう1棟と営業します。

地主さんは同じ地域に固まって土地を所有していますから、突然その一帯が賃貸激戦区になる可能性があります。

先日も私の事務所の近くにレオパレスさんで1棟建築、その横に空き地があったのですが、その空地にもレオパレスさんで建築がはじまりました。

 

このような地主さんが強い地域は将来、賃貸激戦区となり賃料相場が下がる危険があります。

地主さんは相続税対策がメインですから賃料を下げることが比較的容易です。

(というより、ハウスメーカーの一括借上げが多いのでハウスメーカーのスケールメリットで値下げしてしまいます。)

 

地主さんが強い地域、ハウスメーカーの賃貸物件の周りが駐車場、空き地、畑である地域は要注意です。

インターネット広告、DM、賃貸住宅フェアなどでも相続税還付が盛んに宣伝されています。

 

相続税還付は消費税還付にように払った税金が戻ってくるというものではありません。

相続税の申告で納税した相続税のうち、計算ミスなどにより払いすぎた相続税が還付されるというものです。

 

従って、

相続税の申告で納税した相続税があり、

最初の申告で計算ミスなどがある場合に限り、

相続税還付ができるのです。

 

税理士の中にも相続税に詳しくない税理士が相当数おり、計算ミスや特例の選択適用ミス、財産評価の考え方ミスがあるため、このようなビジネスが成り立つのでしょう。

最初から相続税に詳しい税理士に依頼しておけば、相続税還付でまた余分な報酬を払う必要がなくなります。 

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 2 「経費を増やす」とは
 3 節税の優先順位
 4 消費税還付
 5 まずは青色申告
 6 購入名義を工夫する
 7 法人化で節税(総論)
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 9 サブリース法人
 10 不動産管理法人
 11 青色事業専従者給与
 12 旅費交通費
 13 小規模企業共済
 14 生命保険で節税
 15 9室と10室で大きな差
 16 出張日当で節税

10部 税務調査対策
 1 抜き打ち調査はない
 2 修正申告と更正処分
 3 「お土産」とは
 4 購入・建築初年度の調査
 5 不動産賃貸(個人)の調査
 6 不動産管理会社の調査
 7 サブリース会社の調査
 8 不動産所有会社の調査

11部 あの節税策の短所
 1 築22年以上の木造を買え
 2 管理法人は万能ではない
 3 減価償却定率法で節税

12部 借地権と底地権
 1 借地権とは

13部 法人化のポイント
 1 株式会社or合同会社
 2 資本金はいくら?
 3 株主(出資者)は誰?
 4 決算期は何月?

14部 コラム
 1 消費税増税の影響
 2 地主さんにはかなわない
 3 仲介手数料は3%?
 4 相続税還付とは
 5 帳簿作成には専用ソフト
 6 取得税・登記費用の資産計上不可

15部 あの情報商材の中身
 1 超合理的節税法
 2 節税投資のススメ
 3 健康保険を安くする方法
 4 改正で200万円超節税法

16部 不動産投資にかかる税金
 1 不動産取得税
 2 登録免許税
 3 印紙税
 4 所得税と住民税
 5 事業税
 6 固定資産税

17部 届出・申請書と記入例
 1 個人事業の開廃業届出書
 2 青色申告承認申請書
 3 青色事業専従者給与の届出
 4 給与支払い事務所の開設届
 5 源泉税の納期の特例申請書

18部 おススメの書籍
 1 ここまで明かしたく
   なかった節税強化書
 2 家主さん、地主さん、
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 3 アパマン経営、なぜ
   失敗するのか
 4 中古のワンルームを
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 5 無税入門

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